2024年3月2日に書いたもの

 食欲はあるが食べたいものはない。自殺した人の詩。自殺したからこの人の話を聞く気になったのだろうか。泣きながら、これは嬉しくて泣いているのだと思った。頬よりも流れる水のような液体の方が温度が高く、カイロのようにじんわりと目元をほぐした。つまらない本を読んだ。表紙のイラストレーションの意味がわからなかった。わからなくてもいいようにプランニングされているのだ。ハイチュウ。オタマトーンにそれなりのハッピーバースデ―を歌わせる。渾身の思いで選んだプレゼントを包装しようと種々のリボンやら装飾やらを持ち出したが、結局どの組み合わせも納得いかずゴミの如くビニール袋を引き結むすんだ。外に出るためではなく化粧をするための化粧。最近は六割程度の打率で、時間に間に合わずリ・スケジュールしている。用事はなくなるが完璧に化粧をしたおんながそこにあり、仕方がないので適当にコンビニなどに行く。それが月曜日か木曜日であれば、餃子の満州に行く。冷凍餃子の購入は店員と客の双方にとってWIN-WINだ。雨の日のアーケードの切れ目がバタフライエフェクトで戦争の引き金を引く。おまえに見せるためだけのパニックを踊ろう。癇癪には観客がいなければ。あなたが少し長さの違う黒い靴下をペアとして履きつづけているように、生きていくのが推奨されている。生活が二層に分かれてしまった。巨大な自己愛が鎮座し、すべての価値観に疑問符がつけられた景色。それと普通の景色。かっこのつかない普通って新鮮でしょ。こうやって集中するたびにハゲていく。痛んだ毛髪の手触りよりも、頭皮の疼痛こそがホンシツなの。もう一度青春のあの頃に戻って、ニキビをつぶしたい。周囲の皮膚をどう押し込むとどう角栓が出るのか、そこにはある程度パターンがあったはずだし、あらためて追求したい。あなたが「無理だな」と思っている<性格>は、あなたが好きだと言ったあの表情を咲かせた土であることを忘れるな。